DS-320 (DataScope) とモバイルギア

秋葉原の某店で京セラのDS-320を 9,800円で発見。 その時持っていたPHS(東芝 DL-S28)の10ヶ月縛りが消えると同時に購入しました。 ですが、少し後悔しています。ええ。

モバイルギアで動かすには

DS-320の箱には「Windows95/98 対応」とだけ書かれており、 実際そのままではモバイルギアで使用できません。対応させるには 以下の動作を行う必要があります(ドライバディスク2 の README.TXT に書いてあります)。
  1. DS Station がインストールされたノートPCのPCMCIAスロットに差す
  2. DS-320側で、カード情報(切替→2→5で アクセスできます)「標準モデム」に変更

カード情報の変更をやっておかないと モバイルギアでは認識しません。 マルチファンクションカード全般に言えることかもしれませんが、

という症状を確認しています。

一度 Windows9xノートに挿す必要があるっていうのも謎な仕様ですが、 どうやらDS-110の仕様を引きずっているようです(ヤレヤレ)。

データカードとしてのDataScope

一々ケーブルを出してPHSと繋げて云々という面倒さから解放されるのは 非常にありがたいことですし、片手でPHSを持っておく必要もありません。が、

  1. 通信時の電波強度が解らない(LEDが緑色に光るだけ)
  2. 電波の入りが弱い
  3. データ通信の場合、連続で3時間しか電池が持たない
という欠点があります。


PHS端末としてのDataScope

でかい・重い

小型デジカメに迫る大きさがあり、重量は175g+αです。

個性が強く"かっちょいい"外観ではありますが、ポケットに入れると ものすごく格好悪いです(苦笑)。

電池の持ちが悪い

夜間に電源を切るなどの策を講じれば一週間持ちますが、 heavy dutyで使っている人に言わせれば「3日でなくなる」そうです。

充電アダプタがでかい

本当にでかいです。4.22V 300mAなのに何故こんなにでかいんだ? と思いつつ開放状態の電圧を測ると、定格と同じ 4.22Vでした。 MDやなんかだと電圧降下を充電管理に使ってるフシがあるのですが、 そういうわけでもない...

せやったらスイッチング電源にせんかボケッ。

というわけで 5.3Vの電源+整流用ダイオードで 約4.2Vまで降圧させた 電源を作ってみたのですが、DS-320の充電LEDは光るものの 充電は成されず、 それどころか放電されているという始末 (;_;)。 仕方ないので 7Vの電源+LM317T で作り直しました(電圧 4.25V)。 今度は電圧降下が少ないため、快調に充電してくれます。

DS-320の充電端子は普通の(?)パーツ屋さんでも売っている 統一規格プラグ (EIAJ-2, 6.3V以下) ですので、簡単に自作電源を 繋げることができます。しかしI/Fがクレードルのみという モバイル機器にあるまじき設計は何とかしてほしいですよね。特にPHS。

電源の管理が下手

通話中に電源の表示が異常に減少することから 電圧しか検出していないことが予想されます。 リチウムイオン電池は(ニッカドやニッケル水素と違って)放電するに従って 電圧が下がるため「これで良いのだ」と言えないことはないのですが、 電流の積分くらい...ねぇ。

充電するときも 満充電で停止などの制御がないらしく、放っておくと 延々充電するそうです。リチウムイオン電池なのに。 火ぃ出たらどないすんねん?

充電LEDもまた全く頼りになりません。先の「充電LEDが点いてるのに放電していた」 というのも駄目駄目ですが、充電中にAC側のアダプタを引っこ抜いても 本体に繋がっている限り充電LEDはつきっぱなし。はあぁ〜....

送受信が総じて弱い

発売時期を考えればある程度は仕方ないのかもしれませんが、

くらいヘナチョコです。「PHS=電波が弱くて動くとすぐ切れる」という常識が 通っていた時代はこうだったのかと妙な感想を抱いてしまいました。

エッヂ端末が出ている現在となっては、手動ハンドオーバー機能 (パワーコネクトボタン)すら無いというのは痛いです。 電車の中で使おうと思ってはいけません。たとえ南武線でも

単体でのバイブレーション機能がない

バイブレーションユニットとして分割したことについて、 PHSを鞄に入れっぱなしにしている人が多いからと京セラは言っています。 それはそれで正しいのですが(DataScopeでかいし)、じゃあ本体に バイブレーションが無くても良いのかというと、それはまた別の話でしょう。

DataScopeをこれ以上大きくしないための苦肉の策と勘ぐりたくなります。

着信メロディーが作成できない

この辺は設計者のポリシーですからなんとも言えませんが、 機能としては欲しいところです。

一応、隠しAPIを使った作曲は可能らしいです。


PDAとしてのDataScope

一見便利に思えますが、実は通常の携帯電話に備わっているような機能が 無かったりします。

着信・ダイヤル履歴から電話帳に登録する機能が無い

「電話番号おしえてくれへん?あ、俺の端末070-****-****やから こっちに掛けてくれたらええわ」
なんてことができません。

音量の設定が独立していない

Pメールもアラームも着信も同じ音量....堪忍して〜な。 着信音の鳴り分け機能よりまずこっちでしょうに。

まあ、音量の設定が即座にできるからまだ救われているんですけど。

ボタンが押しにくい

単純ですが、非常に重要な点です。どうやって スケジュール入れたり電話帳メンテしたりするのかと悩むくらい使いにくいです。

入力は諦めてビューアーとして使いましょう。もしくは他のPDAを使いましょう。 DOSもば+タスク、 良いですよっ。


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