もばでInternet (1)PPP編

まずPPP接続の確立です。これが出来なければInternetも始まらないのですが、困ったことに ここが一番面倒な部分なんです。
  1. 必要なファイル
  2. 接続準備
  3. トラブルシューティング
  4. ユーザー適応
  5. 最終的なブツはこちらです。
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必要なファイル

+-Archive-+- program -+------ 役割 ----+-- 必要条件 ----+---- 置き場所 ----+
| DOSPPP  |           |                                  d:\term\pppと仮定 |
|         |EPPPDD.exe |主実行ファイル    EPPPD.exeでも可                   |
|         |CHAT.exe   |スクリプト呼出し  必須                              |
|         |TERMIN.com |切断に使用        必須                              |
+---------+-----------+----------------+----------------+------------------+
|設定集   |             |DOSPPP用設定集                   上三つと同じ場所 |
|         |LOGIN?.cfg |EPPDD用設定       Login認証                         |
|         |LOGIN.scr  |スクリプトの記述  Login認証                         |
|         |PAP?.cfg   |EPPDD用設定       PAP/CHAP認証                      |
|         |PAP.scr    |スクリプトの記述  PAP/CHAP認証                      |
|         |ISP.ip     |TCP/IP関連設定    必須                              |
|         |ISP.pas    |暗号記述          必須                              |
+---------+-----------+----------------+----------------+------------------+
|バッチ集  |           |バッチファイル集                  パスの通った場所  |
|         |DIAL2.bat  |PPP接続           datacard使用時                    |
|         |DIAL3.bat  |同上              モデム使用時                      |
|         |PASSWD.bat |設定file格納      必須                              |
+---------+-----------+----------------+----------------+------------------+
|他tool   |           |                                  パスの通った場所  |
|LHA      |LHA.exe    |ファイル圧縮      必須                              |
|EXIST    |EXIST.exe  |ファイル有無確認  必須                              |
|FES      |FES.exe    |ファイル暗号化    必須                              |
|MGCOM    |MGCOM.com  |COM1/2/4のon/off  datacard使用時                    |
|MGCOM3   |MGCOM3.com |COM3のon/off      モデム使用時                      |
+---------+-----------+----------------+----------------+------------------+

(おまけ)DOSPPPの version 0.6ではCHAPによる認証が可能になりました。アーカイブ内アーカイブで提供されていますが 従来のLoginやPAP認証でも従来通りに使えますので、将来を見越して乗り換えてしまいましょう。ただ私は PAP/CHAP認証の必要なプロバイダに加入していませんので、確認が取れません。ご了承頂くとともに 動作・非動作確認をいただければ幸いです。


接続準備

実際の接続のまえにいろいろすることがありますので、順を追って説明します。

1.認証方式を確認

解らない場合は、Login認証方式で大丈夫でしょう。

2.LOGIN?.cfg/PAP?.cfg の更新(8,9行目)

内蔵モデムまたは内蔵携帯I/Fをご使用の場合はLOGIN3.cfg/PAP3.cfgを、データカード・カードモデム使用の場合はLOGIN2.cfg/PAP2.cfgをISP.cfgという名前に変更してください。

PAP認証の場合は、上に加えて、IDとパスワードの記入が必要です。 ID PASSWORDという文字列がファイルの最後の方(8行目9行目)にありますので、これを各自の ID・パスワードに書き換えてください。LOGIN認証の場合はファイルの編集は不要です。

(注意)ファイルはpasswdの右端で終わるようにしてください。最後に改行コードが入ると駄目だそうです。

3.LOGIN.scr/PAP.scr の更新(8,11,12行目)

LOGIN.scr または PAP.scrをエディタで開き、アクセスポイント(AP)の電話番号を記入してください。内蔵/PCMCIAに関わらず モデムを使用している方はトーン・パルスの設定もしてください(8行目)。
ATDT06-6123-4567 トーン
ATDP06-6123-4567 パルス
Login認証の場合は IDとパスワードの記入が必要です。 ID PASSWORD という文字列がファイルの最後の方(11,12行目)にありますので、各自の ID・パスワードに書き換えてください。

また、ファイル名を ISP.scr に変更してください。

4.ISP.ip の更新(2,3,6行目)

ISP.ipをエディタで開いてください。下のようなファイルになっていますので、
print="MC-MK12"
nameserver=DNSサーバー
nameserver=副DNSサーバー
netmask=0.0.0.0
gateway=0.0.0.0
domainlist="ドメイン"
SOCKDELAY=150
インターネット接続業者からもらった説明書を参考にして太線の部分を訂正してください。下表のような表現になっていることが多いです。
このファイル内の表現 一般的に用いられる表現 記入例
nameserver(2行目) 主DNS(ドメインネームサーバー) 127.115.12.1
nameserver(3行目) 副DNS(ドメインネームサーバー) 127.0.0.2
domainlist ドメイン isp.ne.jp

5.ISP.pas の更新(5行目)

ISP.pasをエディタで開き、文字列PASSWORD5行目)を適当なパスワードに書き換えてください。
ISP.cfg/ISP.scrに書かれたパスワードと同一である必要はありません。

6.PASSWD.bat の更新(13,16)

d:\util
という記述(13行目16行目の二カ所)を、各自がFES.exeを置いているディレクトリに変更してください。

7.暗号化・復号の確認

カレントディレクトリを d:\term\ppp に変更し、コマンドラインから
>passwd e isp
と入力してください。これでPPPに関連する設定ファイルが全て圧縮され、暗号化されれば(ISP.fesというファイルができているはずです)問題ありません。

復号+解凍のためには

>passwd d isp
です。解凍されることを確認してください。

確認が終了しましたら、 PASSWD.bat をエディタで開き、先頭行

rem @echo off
rem だけを消してください。

8.DIAL2.bat/DIAL3.bat の更新(15,53)

DIAL2.bat/DIAL3.batをエディタで開き、省電力を設定している部分を変更してください。元々のファイルでは
mgs /z :省電力設定解除(15行目
mgs /z- :省電力設定復活(53行目
となっており、これは日本語表示ドライバに mgdisp2 を用いた場合の記述です。

また、DISL3.bat に関して フラッシュATAカードを使っていない方は、16行目の記述を以下のように変更してください

mgcom3 on card=on
    ↓
mgcom3 on card=off

9.接続確認

データカードをご使用の方は DIAL2.bat を、内蔵モデムまたは内蔵携帯インターフェイスをご使用の方は DIAL3.bat を使用してください。
>dial3 scr
とコマンドプロンプトから入力すると PPP接続が実行され、
Installed Packet Vector 0x61
という文字列が出たら接続成功です。とりあえず
>dial3
とコマンドを入力し、切断してください。

動作確認が終了しましたら、DIAL2.bat または DIAL3.batをエディタで開き、先頭行

rem @echo off
rem だけを消してください。


トラブルシューティング

うまくいかないときは

ファイル名のチェック

しかるべき名前のファイルがしかるべき場所にあるかどうか確認してください。

スクリプト(scr)ファイルのチェック

電話番号や電話のかけ方、IDやパスワードを確認してください。
または ECHO ON と書いてある行の後に
TERMINAL ON
という行を加えると手動で操作することができます(ESCキーで自動に戻ります)。

#完全に手動で操作してチェックするという方には KTX (KmTerm for eXpert) などの端末ソフトをお勧めします。

ISP.ipファイルを編集する(sockdelay)

ISP.ipの最後にある行、
sockdelay = 150
の値を300までの範囲で増やしてみてください。

ISP.cfgファイルを編集する(DTE)

ISP.cfgの4行目にある記述
38400
を 19200 に変更してみてください。
これは PC-モデム間の速度を決めるための数値で、単位はbpsです。


ユーザー適応

はじめに

設定ファイルに関する制限を以下に示します。逆に言えば、この制限さえクリアできれば設定ファイルをユーザ側で自由に操作することができます
  1. 同じ接続で用いる設定ファイルセット(PPP設定・スクリプト・IP設定・パスワード)は拡張子を除く名前を統一すること(現時点ではISP)。
  2. 各設定ファイルの拡張子名は、全ての接続で統一すること。現時点での設定は以下の通り
具体例として「プロバイダAHIに内蔵モデム経由でアクセスする」というセットを AHIPHONE、「プロバイダAHIにPHS経由でアクセスする」というセットを AHIPHS としたときの例を示します。
 
ファイル 内蔵モデム経由 PHS経由
PPP設定 AHIPHONE.cfg AHIPHS.cfg
スクリプト AHIPHONE.* AHIPHS.*
IP設定 AHIPHONE.ip AHIPHS.ip
パスワード AHIPHONE.pas AHIPHS.pas

複数のアクセスポイントを切り替えたい

スクリプトファイルの拡張子だけはユーザーの側で自由に設定できます。ですから、設定セット FOO に関して、 のように電話番号だけが異なる複数のスクリプトファイルを用意しておいて、
>dial3 045
のようにスクリプトファイルの拡張子を第一引数に指定すれば、ユーザーの指定したスクリプトファイルを用いて接続されます。

複数のプロバイダを切り替えたい(1)

 ISP1 と ISP2 を切り替えると仮定します。このとき、まず各々の設定ファイルの名前を下表のように変更してください。
 
ISP1  ISP2
PPP設定 ISP1.cfg  ISP2.cfg
スクリプト ISP1.*  ISP2.*
IP設定  ISP1.ip  ISP2.ip
パスワード ISP1.pas  ISP2.pas

それが終了すれば、コマンドライン上から

>dial3 isp1 045
と入力してください(045は指定するスクリプトファイルの拡張子です)。これでPPP接続が実行されます。
切断は従来通り
>dial3
だけで行えます。

複数のプロバイダを切り替えたい(2)

毎回コマンドラインから引数を二つも入力するのは面倒なので、DIAL?.bat の方を変更しましょう。
7〜8行目にある
set isp=%1
if "%2"=="" set isp=ISP
をみてください。これは、
7行目:「第一引数を環境変数 isp に入れる(これは設定ファイルの名前として使用されます)」
8行目:「第二引数がない(第一引数しかない)ときは、環境変数 isp には ISP という文字列を入れる」
という意味です。御察しの通り、PPP接続の実行には環境変数 isp に定められた設定ファイルセットが用いられますので、主に使うプロバイダの名前を 文字列 ISP の代わりに入れておけば良いのです。

たとえば 主に使う設定ファイルセットを MAIN 、たまに使う設定ファイルセットを SUB と仮定すると、 DIAL?.batの内容は

set isp=ISP
     ↓
set isp=MAIN
と書き換えることができます。これで、設定ファイルセット MAIN を用いるときの接続は
>dial3 045
となり、設定ファイルセット SUB を用いるときの接続は
>dial3 sub 045
となります。

データカードと内蔵モデムを併用したい

先の 「複数のプロバイダを切り替えたい」と同様の考え方で大丈夫です。 の3点に気を付けてください。

また、DIAL3.batから データカード用の設定ファイルセットが呼び出される危険もありますので、何らかの排他制御を掛ける必要があります。私はどうしているかというと、DIAL2.batの7,8行目

set isp=%1-p
if "%2"=="" set isp=ISP-P
のように書き換えています。こうすると、下に示すように簡単な排他制御を掛けることができます。
>dial2 isp 045 → 設定ファイルセット ISP-P が使用される
>dial3 isp 045 → 設定ファイルセット ISP が使用される

余分な表示を消したい

スクリプトファイル内の7行目、
echo on
という記述は接続確認のための動作オプションです。動作が確認できたら消してもかまいません。

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